マチネー(その他表記)matinée

デジタル大辞泉 「マチネー」の意味・読み・例文・類語

マチネー(〈フランス〉matinée)

演劇音楽会などで、昼間興行。→ソワレ3

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精選版 日本国語大辞典 「マチネー」の意味・読み・例文・類語

マチネー

  1. 〘 名詞 〙 ( [フランス語] matinée ) 演劇、音楽会などの昼間の興行。
    1. [初出の実例]「この昼の興行をマチネと云って」(出典:英国現今の劇況(1904)〈夏目漱石〉)

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改訂新版 世界大百科事典 「マチネー」の意味・わかりやすい解説

マチネー
matinée

演劇用語で昼間興行のことを指す。フランス語のmatinéeは,もともと〈午前中〉という意味であるが,そこから出て,通常の夜間興行に対して,午後に行われる演劇興行をいうようになった。したがって,多くは昼間と夜間の並行する二部興行制となる。日本の大劇場演劇(たとえば歌舞伎など)では,それぞれ別の演目を立てる二部制であるが,欧米では週1回の休場による興行成績の低下を避けるため,この興行形式で同一演目を昼間に上演し,週に昼夜あわせて8回の上演を確保するという場合が多い。これはユニオンの発言権のつよいアメリカで始められた制度であるといわれる。しかし,フランス語に由来する名称が示すごとく,元来はフランスで発生した興行形態で,劇場の使用されない時間帯を利用して,夜間の劇上演とは別個に,〈マチネー・ポエティック〉と呼ばれる詩の朗読会を開催したことにその淵源はもとめられる。とくにコメディ・フランセーズが,これを定例化した時期がある。しかし,今日ではむしろ,中高校生を対象とする古典劇上演のために,この時間帯が利用されている。なお〈マチネー〉の用語は,音楽,舞踊等の興行にも使われている。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「マチネー」の意味・わかりやすい解説

マチネー
まちねー
matinée フランス語

演劇、映画、音楽会などの昼間興行。ソワレーsoirée(夜間興行)の対。マタンmatin(朝方)から出たことばで、中世ヨーロッパの宗教劇上演では午前中に行われる特別公演をさした。現在では、通常の夜間興行に対して正午過ぎの昼興行をいい、土、日曜祝日などに行われる。日本では1912年(明治45)帝国劇場が初めて採用した。現在の商業劇場はほとんど昼夜二部制をとっており、昼の部はマチネーともいえるが、本来の意味は薄れている。

[大島 勉]

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百科事典マイペディア 「マチネー」の意味・わかりやすい解説

マチネー

昼間興行。夜間公演を原則とする西欧では,週のうち特定の曜日のみ,午後の興行を行う。また,別の演目を上演することもある。

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