マツカサススキ(英語表記)Scirpus mitsukurianus; bulrush

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マツカサススキ」の意味・わかりやすい解説

マツカサススキ
Scirpus mitsukurianus; bulrush

カヤツリグサ科多年草本州,四国,九州に分布する。やや湿っていて日当りのよい草地に生える。全体は大型で茎は高さ1~1.5mで太く,断面は鈍三角形。葉は革質で縁はざらつき,基部は筒状の長い鞘となる。8~10月頃に,散房花序を腋生または頂生するが,頂生の花序はやや大きい。包葉葉状で3~5個あり,下方の2~3個は花序より長い。小穂は小型で 10~20個集り,鱗片披針形赤褐色果実は狭倒卵形で淡褐色をしている。刺針状の花被片は5~6枚あって,糸状で果実より長い。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「マツカサススキ」の意味・わかりやすい解説

マツカサススキ
まつかさすすき / 松毬薄
[学] Scirpus mitsukurianus Makino

カヤツリグサ科(APG分類:カヤツリグサ科)の多年草。茎は太く、断面は丸みを帯びた三角形または円形で、高さ1~1.5メートル。葉は堅く、幅4~8ミリメートル。夏から秋、柄のない小穂十数個を頭状に集めて、散房花序をつくり、下の数枚の包葉は花序より長い。日当りのよい湿地や川岸に生え、群生することもある。本州から九州に分布する。名は、小穂が頭状に集まったようすを松かさになぞらえていう。

[木下栄一郎 2019年7月19日]

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世界大百科事典(旧版)内のマツカサススキの言及

【アブラガヤ】より

…日本全国で見られ,変化に富み変種が多いが,種全体としては中国からインドシナ北部やヒマラヤ山地まで分布している。近縁種にクロアブラガヤS.sylvaticus L.ssp.maximowiczii (Regel) T.KoyamaやマツカサススキS.mitsukurianus Makinoなどがある。【小山 鉄夫】。…

※「マツカサススキ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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