日本大百科全書(ニッポニカ) 「マッシフ・サントラル」の意味・わかりやすい解説
マッシフ・サントラル
まっしふさんとらる
Massif central
フランスの中南部を占める山地。フランス語で中央山塊の意。面積約8万平方キロメートルを占め、全国土の7分の1強にあたる。平均標高700メートルであるが、中央部には最高峰のピュイ・ド・サンシー山(1885メートル)をはじめ1000メートル以上のピュイと称される火山もある。ローヌ川の河谷に面するセベンヌ山地の東斜面は急であるが、北西に緩やかに傾斜しつつパリ盆地あるいはアキテーヌ盆地に移行している。古生代のヘルシニア造山運動により形成され、古生代末期に準平原となり、中生代ジュラ紀の石灰岩の堆積(たいせき)もみられ、第三紀にはアルプス造山運動の影響でふたたび隆起した。西部は海洋性気候区、南東斜面は地中海式気候区に入る。過疎の散村地帯。ドルドーニュ川上流部などで水力発電が行われる。中央部は一般にオーベルニュ高地とよばれる。
[高橋 正]