アキテーヌ盆地(読み)あきてーぬぼんち(英語表記)Bassin Aquitain 英語

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アキテーヌ盆地」の意味・わかりやすい解説

アキテーヌ盆地
あきてーぬぼんち
Bassin Aquitain 英語
Bassin d'Aquitaine フランス語

フランス南西部を占める平野。北はアルモリカン山地、東はマッシフ・サントラル(中央群山)、南はピレネー山脈、西は大西洋の間に位置し、面積約8万平方キロメートルに及ぶ広大な地域。名称は、アウグストゥス帝が定めたローマ帝国の属州で、ラテン語で「水の地方」を意味するアクィタニアAquitaniaに由来する。地形は第三紀層の丘陵平地が主で、ランド地方とよばれる海岸部は砂丘と潟湖(せきこ)が連なる。北部のシャラント川、南西部のアドゥール川流域を除き、大部分ガロンヌ川の流域で、ブドウや小麦を産する豊かな農業地帯となっている。温暖な西岸海洋性気候に恵まれ、冬の避寒地、夏の避暑地も多い。大きな都市としてはボルドートゥールーズが含まれる。

高橋 正]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アキテーヌ盆地」の意味・わかりやすい解説

アキテーヌ盆地
アキテーヌぼんち
Aquitaine

フランス南西部の大沖積盆地。南西部を占めるアドゥール川流域を除けば,フランス四大河川の一つガロンヌ川の集水域が大部分を占める。南はピレネー山脈,北東マシフサントラル (中央山地) に限られ,西は大西洋にのぞむ。パリ盆地とはポアティエ地方,地中海側ラングドック低地とはローラゲ地方の低地帯を通じてそれぞれ連絡されている。気候は温暖多雨,トウモロコシコムギ果樹の栽培などの多角的農業が行われ家畜飼育も重要。ガロンヌ川河口三角江左岸には有名なボルドー・ワイン用のブドウの単作地帯が,また南西部ランド地方には広大なマツ林地区がそれぞれ広がっている。ガロンヌ川上流部のツールーズ,河口のボルドーが同盆地の二大中心地。ツールーズの工業地帯の発展は特に同盆地開発計画の推進力である。ピレネー山脈北麓ポー付近のラックの天然ガスを利用した化学工業,ランド県の石油,天然ガス開発などにも力が入れられ,盆地内の産業は次第に様相を変えてきている。

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