日本大百科全書(ニッポニカ) 「アキテーヌ盆地」の意味・わかりやすい解説
アキテーヌ盆地
あきてーぬぼんち
Bassin Aquitain 英語
Bassin d'Aquitaine フランス語
フランス南西部を占める平野。北はアルモリカン山地、東はマッシフ・サントラル(中央群山)、南はピレネー山脈、西は大西洋の間に位置し、面積約8万平方キロメートルに及ぶ広大な地域。名称は、アウグストゥス帝が定めたローマ帝国の属州で、ラテン語で「水の地方」を意味するアクィタニアAquitaniaに由来する。地形は第三紀層の丘陵や平地が主で、ランド地方とよばれる海岸部は砂丘と潟湖(せきこ)が連なる。北部のシャラント川、南西部のアドゥール川流域を除き、大部分がガロンヌ川の流域で、ブドウや小麦を産する豊かな農業地帯となっている。温暖な西岸海洋性気候に恵まれ、冬の避寒地、夏の避暑地も多い。大きな都市としてはボルドーとトゥールーズが含まれる。
[高橋 正]