日本大百科全書(ニッポニカ) 「マティーアス」の意味・わかりやすい解説
マティーアス
まてぃーあす
Matthias
(1557―1619)
神聖ローマ皇帝(在位1612~19)。マクシミリアン2世の子。穏健な旧教派で、1578年独立戦争中のネーデルラント総督となったが、成果をあげることなく81年帰国、93年オーストリア総督となり、反宗教改革を実施した。1606年不人気な皇帝ルードルフ2世にかわって事実上ハプスブルク家の統率者となり、08年オーストリア、ハンガリー、モラビアを、11年ボヘミアを皇帝から譲渡させ、ルードルフの死後皇帝に選ばれた。国内の新教徒の反抗のなかで彼らとの妥協に努めたが、後継者としていたフェルディナント2世治下のボヘミアで反乱が勃発(ぼっぱつ)、混乱の渦中に没した。
[中村賢二郎]