マドゥスーダナサラスバティー(英語表記)Madhusūdana Sarasvatī

改訂新版 世界大百科事典 の解説

マドゥスーダナ・サラスバティー
Madhusūdana Sarasvatī

1500年ころの,インド哲学主流を成すベーダーンタ学派の中の不二一元論派哲学者生没年不詳。主著は《アドバイタ・シッディAdvaita-siddhi》で,マドバ派批判を退けようとした。簡潔な哲学概説であり調和的包括的立場に立つ《種々なる道(プラスターナベーダPrasthānabheda)》の著者としても知られており,また不二一元論信愛バクティ)の道とを融合させた最初の人であるともいわれている。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

マドゥスーダナ・サラスバティー
Madhusūdana Sarasvatī

1500年頃のインドのベーダーンタ学派のうちのアドバイタ派の学匠。インドの諸哲学体系の通観的研究書の一つに数えられる『種々なる道』 Prasthānabhedaその他の著がある。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のマドゥスーダナサラスバティーの言及

【寛容】より

…また,インドの宗教には,たとえ他派の聖典・教義であっても,それなりの意味,正当性を容認する傾向があった。各人の能力・素質(機根)に応じてさまざまな教えがあってよいとする考えは仏教がしばしば説くところであるし,またたとえばヒンドゥー教正統派のマドゥスーダナ・サラスバティー(15世紀)も同様の趣旨で《種々なる道》を著した。真実は一つだがそれに至る道はさまざまだということである。…

※「マドゥスーダナサラスバティー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

大臣政務官

各省の長である大臣,および内閣官房長官,特命大臣を助け,特定の政策や企画に参画し,政務を処理する国家公務員法上の特別職。政務官ともいう。2001年1月の中央省庁再編により政務次官が廃止されたのに伴い,...

大臣政務官の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android