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不二一元論派 ふにいちげんろんは

世界大百科事典 第2版の解説

ふにいちげんろんは【不二一元論派】

インド哲学の主流を成すベーダーンタ学派中の最も有力な,シャンカラ(700ころ‐750ころ)を開祖とする学派。サンスクリットでアドバイタAdvaitaと呼ばれる。この派の哲学的立場は不二一元論(アドバイタバーダadvaitavāda)といわれ,ウパニシャッドの梵我一如の思想を踏まえ,宇宙の根本原理ブラフマンは個人の本体であるアートマンとまったく同一であり,ブラフマンすなわちアートマンのみが実在し,それ以外のいっさいは無明またはマーヤー(幻力)に基づき,あたかも幻影のように実在しない。

出典 株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

不二一元論派
ふにいちげんろんは

インド哲学の主流をなすベーダーンタ学派中の一派。ベーダーンタ学派は、その根本聖典『ブラフマ・スートラ』の解釈をめぐって、シャンカラ(700ころ―750ころ)を開祖とする不二一元論派、ラーマーヌジャを開祖とする被限定者不二一元論派など多数の学派を生むが、それらのうち不二一元論派がもっとも有力であるばかりか、現在もなおインドの知識階級のもっとも代表的な思想を形成しており、伝統的な学者の80%はこの派に属しているといわれ、今日スマールタ派といわれるヒンドゥー教の一派の中核をなしている。不二一元論派の僧院はインド各地に存在するが、総本山は南インドのカルナータカ州シュリンゲーリにあり、タミル・ナド州のカーンチープラムの僧院も有力である。この派の哲学的立場は不二一元論(アドバイタ・バーダAdvaitavda)といわれ、ウパニシャッドの梵我一如(ぼんがいちにょ)の思想を踏まえ、宇宙の根本原理ブラフマンは個人の本体であるアートマンとまったく同一であり、ブラフマンすなわちアートマンのみが実在し、それ以外の一切(いっさい)は無明(むみょう)またはマーヤー(幻力(げんりょく))に基づき、あたかも幻影のように実在しないと説く。その大綱は「ブラフマン実在、世界虚妄、個我即ブラフマン」と簡潔にまとめられている。シャンカラの後継者たちの間では、重要でありかつ困難な問題を含む無明(アビディヤーavidy)の問題をめぐってビバラナ派とバーマティー派に分かれた。[前田専學]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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