翻訳|manor house
中世イギリスの荘園(マナー)領主の邸宅をいう。城郭に比して,防備的性格の希薄なものをさし,イギリスは大陸諸国に比べて治安が良好だったため,13世紀から15世紀にかけての遺構が多数見られる。吹抜きの大広間(ホール)を中心に置き,それに台所と少数の家族室を接続した簡単な構成で,初期には敷地を堀で囲んだり,塔門を設けたりした。大広間は,床に炉が切られ,化粧屋根裏の美しい小屋組みを特色としていた。各室とも窓が大きく,油布・油紙を張った建具を入れ,城郭よりもはるかに住み心地がよかった。15世紀ころから床炉に代わって壁付暖炉が採用され,腰壁を板張りとするようになり,居住性がさらに向上した。代表例として,サロップ州のストークセー・カースル(13世紀),ケント州のペンスハースト・プレース(1341ころ),バークシャーのオックウェルズ・マナー(1445ころ),サマセット州のコティ・マナー(1480ころ)などが著名である。
執筆者:桐敷 真次郎
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
…都市外あるいは地方の領主邸は城を兼ねたものが多く,その居住部分は大きな広間(ホール)を中心とした。イギリスのマナー・ハウスと呼ばれる領主邸は,ホールと,それに隣接するスクリーン・パッセージと呼ばれる通路部分とが中心部を構成し,その横に台所等を設けた。ホールには出窓が設けられることが多く,これはアルプス以北の陽光の少ない地方における工夫と考えられている。…
※「マナーハウス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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