プレース(読み)ぷれーす(英語表記)Francis Place

日本大百科全書(ニッポニカ) 「プレース」の意味・わかりやすい解説

プレース
ぷれーす
Francis Place
(1771―1854)

イギリスの急進主義運動家。革ズボン職人出身。ロンドン通信協会に属した。賃金の駆け引きは自由でなければならないという立場から、1814年来、労働組合の団結禁止法撤廃に努力し、巧妙な手段で1824年にようやく成功した。また議会制度改革のための蜂起(ほうき)を計画している。ゴドウィンの『政治正義』に感動したが、元来ベンサム主義者で、賃金鉄則説賃金基金説を信奉し、『人口原理の説明と証明』Illustrations and Proofs of the Principle of Population(1822)を書いてゴドウィンとマルサス双方を批判、産児制限を主張して新マルサス主義の先駆者となった。1838年にはチャーティスト運動の「人民憲章」People's Charterを書いた。

[白井 厚]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「プレース」の意味・わかりやすい解説

プレース
Place, Francis

[生]1771.11.3. ロンドン
[没]1854.1.1. ロンドン
イギリスの急進的改革派。仕立工出身。 1794年 T.ハーディの逮捕後ロンドン通信協会 (初期の労働者階級運動) に参加,協会内部の穏健派所属。裁縫店を開き成功したが,1807年再び政治に関与,改革派議員 F.バーデットを支援。 J.ミル親交を結び,ホイッグ党主流には批判的で,労働者の政治的自由のための運動を組織,24年団結禁止法撤廃に活躍。 32年以後その影響力は弱まったが,W.ラベットらを通じてチャーティスト運動に参加,穀物法撤廃運動でも活動した。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

マイナ保険証

マイナンバーカードを健康保険証として利用できるようにしたもの。マイナポータルなどで利用登録が必要。令和3年(2021)10月から本格運用開始。マイナンバー保険証。マイナンバーカード健康保険証。...

マイナ保険証の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android