日本大百科全書(ニッポニカ) 「マメグミ」の意味・わかりやすい解説
マメグミ
まめぐみ
[学] Elaeagnus montana Makino
グミ科(APG分類:グミ科)の落葉低木。小枝は褐紫色。葉は卵状長楕円(だえん)形で先は鋭くとがる。質は堅く、表面は初め銀色の鱗状毛(りんじょうもう)があり、裏面は銀色で赤褐色の鱗状毛を散生する。花は葉腋(ようえき)に少数開く。萼(がく)の外面は銀色、萼筒の内壁は黄褐色で、星状毛がある。果実は楕円形で小さい。花は6~7月に開き、7~8月に結実する。高地に生え、富士箱根地方以西の本州から九州に分布する。近縁のツクバグミ(ニッコウナツグミ)E. montana var. ovata (Maxim.) Araki(E. nikoensis Nakai)はマメグミに似るが、葉は薄くて大きく、表面に落ちやすい黄褐色の星状毛があり、萼も質は薄く、萼筒内面の黄褐色が外へ透けて映るほどである。萼片は卵形でよくとがる。果実は楕円形で小さく、細長い柄で垂れ下がる。花は6~7月に開き、7~8月に結実する。宮城県から関東を経て、中部地方の山地に分布する。
[籾山泰一 2019年11月20日]