マメダオシ(読み)まめだおし

日本大百科全書(ニッポニカ) 「マメダオシ」の意味・わかりやすい解説

マメダオシ
まめだおし / 豆倒
[学] Cuscuta australis R.Br.

ヒルガオ科(APG分類:ヒルガオ科)の一年生つる草。日当りのよい草原や道端、畑、海岸などでさまざまな植物に寄生し、茎は淡黄色で細い。7~10月、白色の小花を密集して開く。花冠は鐘形で5裂し、裂片は花期に直立し、雄しべと同長またはすこし長い。日本、および朝鮮半島、中国、東南アジア、オーストラリアに広く分布する。名は、ダイズに寄生して害を与えたことによる。帰化種のアメリカネナシカズラC. campestris Yunck.(C. pentagona Engelm.)は花期に花冠裂片が平開する。最近はマメダオシをしのいで増えている。

[高橋秀男 2021年6月21日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マメダオシ」の意味・わかりやすい解説

マメダオシ(豆倒し)
マメダオシ
Cuscuta australis; dodder

ヒルガオ科のつる性の一年草で,ネナシカズラ (根無蔓)などと同属の無葉緑素寄生植物。東アジアの温帯に広く分布し,日本各地の草地畑地に生じる。マメ科植物,特にダイズに寄生して害を与えるのでこの名がつけられた。茎は無毛で黄色の糸状で,左巻き宿主に巻きつく。葉はなく,細かい鱗片がまばらにつく。夏から秋に,細かな白色の小花を総状につける。

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