マラルスリ(その他表記)Marah Rusli

改訂新版 世界大百科事典 「マラルスリ」の意味・わかりやすい解説

マラ・ルスリ
Marah Rusli
生没年:1889-1968

インドネシアスマトラのミナンカバウ族出身の作家。パダン貴族の家に生まれ,ブキティンギのオランダ学校で学んだのちボゴール獣医学校へ進み,1915年に卒業した。獣医として,スンバワ島に数年赴任したが,停年までの大部分ジャワスマランで過ごした。バライ・プスタカ(オランダの設立した出版局)世代の代表的作家で,結婚をめぐる伝統と近代の相克を描いた《シッティ・ヌルバヤ》(1922)は,インドネシア近代文学の先駆的作品であり,現在も広く愛読されている。長い沈黙ののち《ラ・ハミ》(1953)と《子と姉妹の子(アナック・ダン・クマナカン)》(1956)を発表した。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

20世紀西洋人名事典 「マラルスリ」の解説

マラ・ルスリ
Marah Rusli


1889 - 1968
インドネシアの小説家。
スマトラ島生まれ。
パダンの貴族の家に生まれ、ボゴールの獣医学校へ進み1915年卒業。獣医としてスンバワ島に数年赴任したが、定年までの大部分はジャワのスマランで過ごす。獣医としての傍ら創作活動も続け、バライ・プスタカ世代の代表的作家として、’22年自由結婚、恋愛をテーマに旧道徳の破棄を叫んだ「シッティ・ヌルバヤ」を書き、若い世代に反響を呼ぶ。他に「ラ・ハミ」(’53年)、「子と姉妹の子」(’56年)などがあり、オランダの厳しい文化統制下で、インドネシア人民の「魂の解放」を目指して真摯な努力を続けた。

出典 日外アソシエーツ「20世紀西洋人名事典」(1995年刊)20世紀西洋人名事典について 情報

367日誕生日大事典 「マラルスリ」の解説

マラ・ルスリ

生年月日:1889年8月7日
インドネシアの小説家
1968年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

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