マリンチェ(その他表記)Malinche

改訂新版 世界大百科事典 「マリンチェ」の意味・わかりやすい解説

マリンチェ
Malinche
生没年:?-1527

古代アステカ帝国の滅亡に力を貸した原住民女性。1519年,スペインの征服者エルナン・コルテス一行が現在のタバスコ州海岸マヤ族と戦った際,戦利品として贈られた20名の女奴隷の中にマリンチェがいた。彼女はアステカの言葉ナワトル語)を話すことができたので,通訳をつとめ,またコルテスの愛人として,マルティンという名の子を残した。メキシコでは一般に,裏切者の烙印がおされている。
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関連語 高山

百科事典マイペディア 「マリンチェ」の意味・わかりやすい解説

マリンチェ

アステカ王国の滅亡に力を貸したとされる原住民の女性。1519年コルテスがタバスコ州の海岸でマヤ族と闘って贈られた戦利品の女奴隷の一人。アステカの言葉(ナワトル語)が話せるので通訳を務め,愛人として一子を残した。メキシコでは一般に裏切り者とされるが,ウーマン・リブの女性たちには再評価された。

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世界大百科事典(旧版)内のマリンチェの言及

【トラスカラ】より

…人口2万5000(1990)。東にマリンチェ(4461m),西にイスタクシワトル(5286m)の同国を代表する火山を望み,サウアパン川河岸の標高2230~2250mに位置する。トウモロコシ,豆などの伝統的農業地帯の中核都市。…

※「マリンチェ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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