戦利品(読み)センリヒン(その他表記)booty of war

デジタル大辞泉 「戦利品」の意味・読み・例文・類語

せんり‐ひん【戦利品】

戦争で、敵から奪い取った物品戦場または占領地で敵から押収して自国の所有とする動産
[補説]近年、「苦労努力をして手に入れた物品」などの意味で用いられることがある。

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精選版 日本国語大辞典 「戦利品」の意味・読み・例文・類語

せんり‐ひん【戦利品】

  1. 〘 名詞 〙 戦争で分捕った物品。戦争中、交戦国が戦場または占領地で敵側から押収して自国の所有とする動産。鹵獲(ろかくひん)
    1. [初出の実例]「今回の役(えき)に於ける戦利品(センリヒン)、其数夥多にして」(出典風俗画報‐九二号(1895)戦利品の調査)

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改訂新版 世界大百科事典 「戦利品」の意味・わかりやすい解説

戦利品 (せんりひん)
booty of war

交戦国が敵国から奪い所有することのできる動産。戦利品の取得は国家またはその機関の行為であり,個人的横領である違法な略奪とは区別される。戦利品の対象となるのは国有財産であって,私有財産没収は禁止される。

 戦利品は陸上においても海上においても捕獲されうる。海戦の場合,すべての敵財産は捕獲されれば戦利品となる。陸戦においては,戦争遂行に実際に使用することのできる国有動産のみが戦利品として認められる。戦場では,武器弾薬,輸送手段,軍の装備,軍用書類等がこれに属する。もっとも,捕虜の個人的用品等は奪ってはならず,その所持する金銭や有価物は,捕虜の身分終了の際返還しなければならない。

 占領地では,被占領国の所有に属する現金,基金有価証券,貯蔵兵器,輸送材料,在庫品および食料その他すべて作戦活動に供することのできる国有財産は,戦利品とされうる(1907年の〈ハーグ陸戦規則〉53条)。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「戦利品」の意味・わかりやすい解説

戦利品
せんりひん
booty

鹵獲 (ろかく) 品とも呼ばれる。戦闘の結果,敵から押収または抑留すると同時に交戦国に所有権取得の効果が認められる物。兵器,馬匹,軍用書類など,戦争に直接使用されたかあるいは使用されうる軍需品および国有財産であることを要し,私有物は一般に没収できない。海上で敵船 (私有財産を含む) を拿捕しても,捕獲手続を経て没収する場合は捕獲品であって,戦利品とはいわない。

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世界大百科事典(旧版)内の戦利品の言及

【分捕】より

…《平家物語》にも〈或は分捕してかへるものもあり,或は痛手おうて腹かききり,河へ飛入ものもあり〉とあり,その用例は広く軍記物に散見する。ちなみに野伏(のぶし)などが活躍した後世の合戦では分捕勝手といって,単なる戦利品の略奪行為を意味するようになったが,元来は自己の戦功を示す証拠品として分捕した敵の首級とともに具足などを差し出す行為を意味した。それゆえに分捕は分捕高名などとも表現された。…

※「戦利品」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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