マーレク・ライーヤト制(読み)マーレク・ライーヤトせい(その他表記)Mālek Ra`ī-yat

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マーレク・ライーヤト制」の意味・わかりやすい解説

マーレク・ライーヤト制
マーレク・ライーヤトせい
Mālek Ra`ī-yat

イランで 1962年末の農地改革以前に支配的であった地主小作制。「マーレク (地主) 」は大商人,部族長,役人などから成り,一般に大都市に住みながら農村 (デヘ) を私有した。カージャール朝衰退が進む 19世紀末から農地を取得し,レザー・シャーの時代に土地登記法が成立してその土地保有が確立した。「ライーヤト」は本来君主に対する臣民さしたが,ここでは分益小作農をさし,分益契約 (モザーラエ) に基づいて収穫物の一定分を取った。マーレクは巨大化し,大きな政治勢力となって,イランを支配する者は彼ら「千家族」であるといわれた。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

仕事納

〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...

仕事納の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android