ミオパシー(読み)みおぱしー

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ミオパシー」の意味・わかりやすい解説

ミオパシー
みおぱしー

筋肉自体の障害による炎症や変性、あるいは代謝異常などが原因で、筋力低下や筋萎縮(いしゅく)をきたす筋原性疾患の総称ミオパチーと表記されることもあり、筋原性疾患あるいは筋疾患と別称されるほか、筋症、筋病、筋障害などともよばれる。これとは別に、筋を支配する神経系の障害が原因で二次的に筋力低下などを生ずる神経原性疾患は、ニューロパシーとよばれる。

 ミオパシーに分類される疾患は多岐にわたり、もっとも代表的なものとして、遺伝性で進行性の筋力低下や筋萎縮を示す筋ジストロフィーがある。筋ジストロフィーでは血清中のクレアチンキナーゼCK:creatine kinase)の著しい増加がみられ、そのため筋原性と神経原性の鑑別にはCKの測定と筋生検および筋電図が用いられる。そのほか原因別に代謝性ミオパチー、炎症性ミオパシー(筋炎)、内分泌性ミオパシー、甲状腺(せん)中毒性ミオパシー、アルコール性ミオパシーなどがある。病因別の分類では、先天性のもの(遺伝性ミオパシー)と孤発性のものがある。さらに、おもに体幹に近い近位筋の傷害から始まる近位型のものと、体幹から遠い手足の先端など遠位筋の傷害から始まる遠位型ミオパシーに分けられる。また、神経と筋が接合する神経筋接合部での刺激伝達が障害される自己免疫疾患重症筋無力症もミオパシーに分類される。

[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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