ミズオ(読み)ミズオ(その他表記)Hydrurus foetidus

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ミズオ」の意味・わかりやすい解説

ミズオ(水尾)
ミズオ
Hydrurus foetidus

黄色鞭毛藻類ヒカリモ目ミズオ科。特に冷温を好むので,山地の冷たい渓流早春の清冽な河川でみられる淡水藻単細胞の時期には四面体をなし,1長毛または長短2毛を有して遊泳する。また楕円形ないし紡錘形の細胞が多数共通の寒天質鞘に埋って,柔軟でよく分枝した尾状の群体を形成する。群体はしばしば長さ 30cmに及び,水流中の石などに着生して絶えず水に洗われながら揺れている。日本では本州中部以北から北海道で知られ,中国,シベリアヨーロッパ,北アメリカにも分布する。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ミズオ」の意味・わかりやすい解説

ミズオ
みずお / 水尾
[学] Hydrurus foetidus (Vill.) Kirch.

黄色植物、黄金藻類ミズオ属の淡水藻。冬期に渓流の底礫(ていれき)などに付着し、枝分れした毛髪状の群体を水になびかせる。和名は、このような生態からつけられたものである。形態的にみると、寒天質の鞘(さや)に黄色の葉緑体をもつ細胞が散在するという簡単な体制である。

小林 弘]

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