黄色植物(読み)オウショクショクブツ(その他表記)yellow algae
Chromophyta

デジタル大辞泉 「黄色植物」の意味・読み・例文・類語

おうしょく‐しょくぶつ〔ワウシヨク‐〕【黄色植物】

藻類一群淡水に多いが、海産もあり、黄緑色や金褐色をし、単細胞、あるいは群体をなす。不等毛類・黄色鞭毛藻べんもうそう類・珪藻けいそう類に分けられ、またその多く褐色植物に含めることもある。黄藻植物

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改訂新版 世界大百科事典 「黄色植物」の意味・わかりやすい解説

黄色植物 (おうしょくしょくぶつ)
yellow algae
Chromophyta

ブーレリーP.Bourrellyが1957年に創設した植物分類系の1門。パッシャーA.Pascherが1914年に創設した黄金色(おうごんしよく)植物Chrysophytaと,ウェットシュタインR.R.Wettsteinが1901年に創設した褐藻類を包含する。クロロフィルaとcのほかにフコキサンチンなどのキサントフィル色素をもち,ラミナランlaminaranなどの水溶性炭水化物を光合成により生産する褐藻植物門に所属した褐藻類,黄金色植物門に所属した黄金色藻類(黄金鞭毛藻類,ヒカリモ類),ケイ藻類,ラフィド藻類(緑色鞭毛藻類),黄緑藻類(不等毛類)などの一群,約550属1万2000種をさす。chromosは色の意であるので,有色植物門と呼ばれることもある。また一般になじみの深い褐藻類を含むことから,褐色植物門とも称される。体制と生活史の様式の多様性およびそれらの進化の傾向から,水中で大きく発展した黄色植物は,水中から陸上に進出した緑色植物に対比できる植物群とみなされる。体制には単細胞遊泳性,群体遊泳性,単細胞非遊泳性,群体非遊泳性,単列糸状,多列葉状,多核囊状および茎葉状などが見られ,生活史には,単相の体だけの生活史すなわち緑藻アオミドロ型をとるもの(フシナシミドロなど),単相の体が複相の体より大きいコケ型生活史をとるもの(ムチモ,カヤモノリなど),単相の体と複相の体が同形のシオグサ型のもの(アミジグサ,クロガシラなど),複相の体が大きいシダ型のもの(コンブウルシグサなど),複相の体のみの後生動物型をとるもの(ヒバマタ,ホンダワラ,ケイ藻など)などがある。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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