ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ミネット」の意味・わかりやすい解説 ミネットminette 岩石名として用いられる場合と,鉄鉱石名として用いられる場合がある。 (1) カリ長石黒雲母ランプロファイア。おもにカリ長石 (正長石または玻璃長石) と斑状の黒雲母とから成る暗色の脈岩。少量の透輝石,角閃石,斜長石,石英などを伴うことがある。カリ長石の代りに斜長石を主成分とするものはケルサンタイト,黒雲母の代りに普通輝石,普通角閃石を含むものはフォーゲサイト,アルカリ角閃石,アルカリ輝石を主とするものはソーダミネットなどと呼ばれる。 (2) フランスとドイツの国境地域,ルクセンブルクに産する中生代ジュラ紀の浅海成鉄鉱層の鉱石。魚卵状組織を示す褐鉄鉱 (ときに赤鉄鉱) を主とし,菱鉄鉱,海緑石などを伴うのが特徴。ヨーロッパの主要鉄資源である。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by
岩石学辞典 「ミネット」の解説 ミネット 古い鉱山用語で,ブリエイ・ベーズン(Briey Basin)やロレーヌ(Lorraine)地方のジュラ紀の魚卵状鉄鉱床に用いられた[Beaumont : 1822, Baumann : 1976].ヴォルツは雲母質の脈岩にこの語を使用し[Voltz : 1828],それ以後はカリ長石,黒雲母を主成分とする閃長岩質のランプロファイアに用いられるようになった.副成分にはオージャイトと斜長石,角閃石が存在する.蛇紋石化した橄欖(かんらん)石も時に含まれる.フランス,ヴォージュ(Vosges)のミネット(Minkette)谷に因む. 出典 朝倉書店岩石学辞典について 情報 Sponserd by