菱鉄鉱(読み)りょうてっこう(英語表記)siderite

翻訳|siderite

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

菱鉄鉱
りょうてっこう
siderite

FeCO3方解石鉱物三方晶系菱面体,板状,柱状の結晶,繊維状,魚卵状,土状の集合塊として産する。脆弱。硬度 3.7~4.2,比重 3.96。ガラス光沢ないし真珠光沢,半透明。黄褐,灰白,白,赤褐色など。菱マンガン鉱マグネサイトとの間に完全固溶体を形成し,方解石,ドロマイトとの間に部分固溶体を形成する。頁岩,粘土,炭層などの堆積岩中に層状を呈して産するほか,熱水鉱床脈石鉱物としても産する。先カンブリア時代の鉄鉱層中に,酸化鉄鉱物,チャートなどと互層して大規模に産するのは有名。初めは球状のものにちなんで spherosiderite (球状菱鉄鉱) と呼ばれた。

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大辞林 第三版の解説

りょうてっこう【菱鉄鉱】

炭酸鉄を主成分とする鉱物。三方晶系。ガラス光沢があり、淡褐色であるが、赤褐色に変色する。堆積岩中や火成岩中に産する。炭酸鉄鉱。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

菱鉄鉱
りょうてっこう
siderite

鉄の鉱石鉱物の一つ。日本では熱水鉱脈鉱床中に、また接触交代鉱床(スカルン型鉱床)中に、堆積(たいせき)岩の団塊として、ときに花崗(かこう)岩中の脈として、あるいは粘土鉱物とともに堆積岩の熱水交代産物として産出する。大陸地域では堆積岩の主成分として出現する。自形は菱面体を基調とした立体。比較的還元環境、中性ないしアルカリ性条件下での産物である。地表条件でこのような環境が壊されると、分解していわゆる褐鉄鉱となる。日本のおもな産地は、兵庫県生野(いくの)鉱山、栃木県鹿沼(かぬま)市引田岩花(ひきたいわはな)鉱山、埼玉県秩父(ちちぶ)鉱山など。英名は鉄を意味するラテン語に由来する。[加藤 昭]

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