ミミヒミズ(読み)みみひみず(その他表記)Chinese shrew mole

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ミミヒミズ」の意味・わかりやすい解説

ミミヒミズ
みみひみず / 耳日不見
Chinese shrew mole
[学] Uropsilus soricipes

哺乳(ほにゅう)綱真無盲腸目モグラ科の動物。同科ミミヒミズ亜科を構成する、ミミヒミズ属の10種のうちの一つ。ミミヒミズ類はかつては3種程度にまとめられていたが、近年の分子系統学的解析の結果、種が細かく分けられるようになった。中国の四川(しせん)省、雲南(うんなん)省、およびミャンマービルマ)北部に分布するとされていたが、2023年にベトナム北部で本属の新種が発見されており、今後調査が進めば分布域が拡大する可能性が高い。頭胴長6.3~8.8センチメートル、尾長5.4~7.5センチメートル。尾が長く前足は小さい。さらにモグラ科で唯一耳介をもち、その先は毛の外に出るので、外形はまったくトガリネズミ状である。頭骨はトガリネズミと異なり頬骨弓(きょうこつきゅう)をもつ。歯式は

の合計34本が基本となるが、下顎(かがく)切歯および小臼歯(しょうきゅうし)部にさらに1対の歯をもつ変異があり、3属に分類されていたこともある。山地の森林に生息するが、生態は不明の部分が多い。モグラやヒミズのような坑道はつくらず、地上徘徊(はいかい)性である。モグラ科のなかでもっとも地下適応性が低く、原始的特徴を有すると考えられている。

[川田伸一郎 2024年12月16日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ローマ法王ともいう。ラテン語 Papaの称号はカトリック教会首長としてのローマ司教 (教皇) 以外の司教らにも適用されていたが,1073年以後教皇専用となった。使徒ペテロの後継者としてキリスト自身の定...

教皇の用語解説を読む