ヒミズ(読み)ひみず(英語表記)Japanese shrew mole

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヒミズ」の意味・わかりやすい解説

ヒミズ
ひみず / 日不見
Japanese shrew mole
[学] Urotrichus talpoides

哺乳(ほにゅう)綱食虫目モグラ科の動物。同科ヒミズ亜科ヒミズ属に含まれる日本特産種で、ヒミズモグラともいう。本州、四国、九州、五島(ごとう)列島隠岐(おき)諸島対馬(つしま)に分布する。頭胴長9~10.5センチメートルでモグラより小さく、尾は長い。しかし、尾は近縁ヒメヒミズよりは短く、長毛が生え、バット状。毛は黒色に近く、光沢がある。門歯の先端がとがり、へら状のヒメヒミズとは異なる。歯式は

で合計36本。山地森林およびその周辺に多く、半地下性で浅いトンネルを掘ってすみ、ミミズ昆虫を食べる。1産2~6子。

阿部 永]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヒミズ」の意味・わかりやすい解説

ヒミズ
Urotrichus talpoides; Japanese shrew mole

食虫目モグラ科。体長9~11cm,尾長 2.5~4cm。眼は外部に開かず,耳介がなく,尾が短いところはモグラに似るが,モグラより体は小さく,四肢も小さい。体色は黒または暗褐色平地から標高 2000mぐらいまでの森林,草原畑地やそれらの縁などに生息する。普通,地下に穴を掘って生活するが,ネズミの穴などを借りて使用していることもある。日夜活動し,日中でも登山道などで見かけることがある。食物はジムカデ,カタツムリ,昆虫類など。1産3子ぐらい。日本固有種で,北海道,屋久島以南,伊豆七島を除き,日本に分布する。

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