日本大百科全書(ニッポニカ) 「ミヤマゼンコ」の意味・わかりやすい解説
ミヤマゼンコ
みやまぜんこ / 深山前胡
[学] Coelopleurum multisectum (Maxim.) Kitag.
セリ科(APG分類:セリ科)の多年草。ミヤマゼンゴともいう。茎は高さ40~60センチメートル。葉は2~5回3出羽状の複葉(葉の形態については「複葉」の項を参照)。葉柄の基部は鞘(さや)状に膨らみ、赤みを帯びる。7~8月、散形花序をつくり、白色花を開く。名は、ノダケ(中国名前胡(ゼンコ))と同じセリ科で、高山に生えることによる。日本の特産種で、高山帯の草原や砂礫(されき)地に生え、中部地方に分布する。北海道には、果実に毛があるエゾヤマゼンコがある。
エゾノシシウド属はシシウド属Angelicaに近縁であるが、系統的により古いと考えられており、北半球の寒帯に4種、日本には本種のほかエゾノシシウドがある。
[門田裕一 2021年12月14日]
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