日本大百科全書(ニッポニカ) 「ノダケ」の意味・わかりやすい解説
ノダケ
のだけ / 野竹
[学] Angelica decursiva (Miq.) Fr. et Sav.
セリ科(APG分類:セリ科)の多年草。根は太く肥厚する。茎は高さ0.8~1.5メートル。葉は、質が厚くて堅く、1回3出羽状複葉で中央脈に沿って翼があり、縁(へり)に鋭い鋸歯(きょし)がある。上部の葉は退化して袋状の鞘(さや)となり、茎とともに紫色を帯びる。9~10月、散形花序をつくり、暗紫色花を開く。ときに白色花の品種もあり、シロバナノダケという。果実は扁平(へんぺい)な広楕円(こうだえん)形、広い翼がある。葉の羽片が細い品種をホソバノダケという。丘陵の草原や林内に普通に生え、関東地方以西の本州から九州、および朝鮮半島、中国、インドシナ半島、東シベリアに分布する。漢方では乾燥した根を「前胡(ぜんこ)」と称し、解熱、鎮痛剤とする。
[門田裕一 2021年11月17日]