1983年に登録されたスイスの世界遺産(文化遺産)。聖ヨハネ修道院(ザンクト・ヨハン修道院)は、同国東部、グラウビュンデン州の村ミュスタイルにあるベネディクト会の修道院。この修道院はフランク王カール大帝(シャルルマーニュ)の命により、780年に建てられた。創建時のカロリング様式がきわめて良好な状態で保存されていて、これが世界遺産登録の大きな理由の一つになった。もう一つの特徴は、簡素な建物外観とは対照的に、内部は旧約聖書と新約聖書を題材にした、9世紀と12世紀の壮麗なロマネスク様式のフレスコ画やカール大帝時代の壁画で飾られていることである。これらのフレスコ画は19世紀末と20世紀半ばの補修工事の際に発見された。◇英名はBenedictine Convent of St John at Müstair