ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ミュラー幼生」の意味・わかりやすい解説
ミュラー幼生
ミュラーようせい
Müller's larva
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…複合卵とは卵腺でつくられた卵細胞と卵黄腺でつくられた卵黄とがそれぞれの輸管を通って成卵腔に達し,1個の卵細胞と数個の卵黄細胞とが一塊になって周囲に卵殻をつくったものである。海産のものは単一卵からミュラー幼生Müller’s larvaやその他のプロトロクラ幼生protrochula larvaを生じ,変態して成体となるが,淡水産と陸産のものは複合卵から直接子虫が生じ親になる。大部分の種類は自由生活をするが,他の動物体に内部あるいは外部寄生するものがある。…
… 雌雄同体で,同一個体に雌と雄の生殖器官があるが,体制に比較して,その構造は複雑である。交尾によって体内で受精した卵は海中に産みだされ,発生がすすんで直接幼体になるか,ミュラー幼生Müller’s larvaやゲッテ幼生Goette’s larvaになってしばらく浮遊生活をし,その後変態して成体になる。 一般に肉食性で,小型甲殻類,二枚貝,環形動物などほとんどどんな動物でもとらえたものを食べる。…
…他の動物における中実胞胚にきわめて似ている(図1)。(2)原輪子幼生protrochula 原体腔類として分類される扁形動物(ミュラー幼生,ゲッテ幼生)およびひも形動物(ピリディウム幼生)にみられるもので,原体腔(胞胚腔から発展した腔所)内に内胚葉性の盲管と小さな神経節を一つそなえた簡単な構造をもち,体表に繊毛をはやして遊泳する(図2)。(3)担輪子幼生(トロコフォラtrochophora) 真体腔類,端細胞幹(裂体腔動物)に属する軟体動物および環形動物を中心とする幼生で,消化管は口と肛門で外に開き,原体腔内には浸透圧の調節と老廃物の排出を行う原腎管をそなえ,体表の四つの繊毛管によって遊泳する。…
※「ミュラー幼生」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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