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出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…活力に満ちた環境は,また知的創造をうながし,前6世紀のイオニアは,ミレトスを中心に文化の最盛期を現出する。抒情詩のアナクレオン,哲学のタレス,アナクシマンドロス,アナクシメネス,歴史のヘカタイオスといった人々が,この時期に輩出しているが,とりわけタレスをはじめとするミレトス学派の自然哲学者たちが,オリエント由来の自然にかんする経験的知識や宇宙観を基に,この世界を動かす原理(アルケー)は何かを探り,ギリシア哲学の源流を形づくった意義は大きい。 しかしイオニアの地は,とりわけ前6世紀以降,オリエントの専制王国の支配を受けるようになる。…
…この呼称は,ピタゴラスを祖とするイタリア学派の呼称とともに,ペリパトス学派の伝統のなかで形成された分類法に基づくものである。この派に入るものとして,この地のミレトス市を中心に活動したタレス,アナクシマンドロス,アナクシメネスらのミレトス学派の哲学者がいる。この派は唯一つの原初的物質(アルケー)を想定し,これから世界が形成されるとしたが,これは真実在についての体系的説明としての哲学にとって,重要な一歩を踏み出すものであった。…
…前580年ころ活躍したギリシアの哲学者。生没年不詳。タレス,アナクシマンドロス,アナクシメネスと続くとされる,いわゆるイオニア(ミレトス)学派の創始者。イオニアのミレトスの生れ。彼の活動は,幾何学,天文学,地誌,土木技術の分野のみならず,政治的実践など広範囲にわたった。イオニアの中央に位置するテオス市に全イオニア人のための政庁を置き,その他のポリスは一地方区とする彼の改革案は,その政治的実践活動を,リュディア王クロイソスのためにハリュス川の流れを変え橋をかけることなくその川を渡らせたという話は,その土木技術を,リュディア人とペルシア人の戦争を終末に導いた日食を彼が予言したことは,その天文学的知識を,メソポタミア,エジプト旅行を通じて知ったエジプトの測地術を普遍的な学としての幾何学にまで高めたとされているのは,その幾何学的知識を明らかにするものといえよう。…
…物質が本質的に活力・生命力を,また生命力・運動力の根源としての魂をもつとみる世界観の一つ。機械論的傾向に反対したケンブリッジ・プラトン学派のカドワースが17世紀末ころ,ギリシア語のhylē(素材・物質)とzōē(生命)から造語したのが始まりとされる。初期ギリシアの,いわゆる自然哲学者タレス,アナクシマンドロス,アナクシメネスらイオニア(ミレトス)学派の人びと,あるいはヘラクレイトスらはそれぞれ〈水〉〈無限者(ト・アペイロン)〉〈空気〉そして〈火〉を一つの生ける原物質(アルケー)とし,これから万有の生成,あらゆる運動・変化が由来すると考えたが,この考えが物活論の原形をなす。…
…エジプトのナウクラティスヘのギリシア人進出の先鞭をつけ,イタリアのシュバリスとも密接な関係を結んだ。前6世紀には文化の先進地としてタレス,アナクシマンドロスらミレトス学派の哲学者,地理学者ヘカタイオスなどを輩出した。前499年のイオニアの反乱を主導したミレトスは5年後に陥落し,徹底的に破壊された。…
※「ミレトス学派」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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