ミントフ(読み)みんとふ(その他表記)Dominic Mintoff

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ミントフ」の意味・わかりやすい解説

ミントフ
みんとふ
Dominic Mintoff
(1916―2012)

マルタ共和国政治家オックスフォード大学に学ぶ。第二次世界大戦中はイギリスで土木技師として働き、1943年マルタに帰国、労働党の再建戦災からの復興に尽力。1947年副党首および国会議員、1947~1949年副首相兼再建相。1949年党首。1955~1958年首相兼財務相。1958年マルタの完全独立を目ざしイギリスと対立、首相を辞任。野党政治家として反英運動を指導、1964年のイギリス自治領からの独立に貢献した。1971年の総選挙で首相に返り咲き、以来マルタの中立政策を指導、1979年対英海軍基地協定の期限終了とともにイギリス軍が完全に撤退、また地中海の非核化を提唱するなど独自の外交を推進し、1984年末、首相と党首をカルメロ・ミフスド・ボニッチCarmelo Mifsud Bonnici(1933―2022)に譲り、政界を引退した。

[藤村瞬一]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ミントフ」の意味・わかりやすい解説

ミントフ
Mintoff, Dominic

[生]1916.8.6. マルタ
マルタ共和国の政治家。マルタ大学とオックスフォード大学を卒業。 1936~37年マルタ労働党書記長。 41~43年イギリスで土木技師。 43年マルタで建築技師。 47年労働党副党首として下院議員当選。 47~49年副首相兼公共事業・再建相。 49年労働党党首。 55~58年首相兼蔵相。 71~76年首相兼外相。 76年三たび首相に就任するとイギリスとの関係を清算してヨーロッパ共同体 ECリビア,中国などとの関係を強化,自主中立路線をとり注目された。

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