ムレーナ(読み)むれーな(その他表記)Hector Alberto Murena

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ムレーナ」の意味・わかりやすい解説

ムレーナ
むれーな
Hector Alberto Murena
(1923―1975)

アルゼンチンの小説家、評論家。1948年に『ウェルブム』誌に寄稿した『アメリカの原罪についての省察』(1954年に加筆され『アメリカの原罪』)により注目される。ラテンアメリカ人は自らの現実に背を向け、絶えずヨーロッパに目を注いでいるが、それは建国当初から背負う地理的・文化的原罪によるものと説くこの評論は、悲観論者ムレーナの立場を如実に物語っている。また『ある日の物語』としてまとめ上げられた三部作『肉体の宿命』(1955)、『夜の法』(1958)、『約束の継承者たち』(1965)の登場人物たちも、出口なしの重苦しい情況のなかで、存在のむなしさと苦悩を浮き彫りにしている。

[安藤哲行]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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