世界の観光地名がわかる事典 「メーアスブルク城旧城」の解説 メーアスブルクじょうきゅうじょう【メーアスブルク城旧城】 ドイツ南部、バーデンヴュルテンベルク州のボーデン湖の北岸に位置する、人口5000人ほどの町メーアスブルク(Meersburg)の郊外に建つ古城。◇メーアスブルク城には旧城(Altes schloss)と新城(Neues schloss)の2つがあるが、旧城(アルテスシュロ)は、居住されている城としてはドイツ最古といわれている。ボーデン湖を見下ろす断崖に建ち、高さ14mの跳ね上げ橋を渡って城内に入る。城内の一部が中世博物館になっていて、主塔、塔、礼拝堂、騎士の広間、庭園などを見学できるガイドツアーが用意されている。メーアスブルクという町の名称は「湖畔の城」という意味だが、この「湖畔の城」とは、フランク王国の初期王朝であるメロヴィング朝のフランク王ダゴベルト1世が7世紀にボーデン湖畔に建てた城郭のことで、これが旧城の起源でもある。現在の旧城の主塔、ダゴベルト塔は、その後改築されているが、このときに建設された遺構である。その後、旧城は126年に、この一帯を領有する領主でもあったコンスタンツ司教の居城となった。その後、1334年にコンスタンツ司教の座をめぐって教皇派と皇帝派の戦闘が起こったが、この城を包囲攻撃した皇帝派の軍勢により、ドイツで初めての大砲が使用された。また、ドイツ最高の女性詩人とも評されるアネッテ・フォン・ドロステ=ヒュルスホフ(Annette von Droste-Huelshoff、1797~1848年)が、晩年を過ごした城としても知られている。旧城の近くには、ツェッペリン飛行船の個人コレクションを展示する、1989年設立のツェッペリン博物館(Zeppelin Museum)がある。 出典 講談社世界の観光地名がわかる事典について 情報