ツェッペリン飛行船(読み)ツェッペリンひこうせん(英語表記)Zeppelin-Luftschiff

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ツェッペリン飛行船」の意味・わかりやすい解説

ツェッペリン飛行船
ツェッペリンひこうせん
Zeppelin-Luftschiff

ドイツのツェッペリン飛行船会社が建造した硬式飛行船。退役軍人フェルディナンド・フォン・ツェッペリン伯爵 (1838~1917) が 1900年1号船 LZ1を完成し,その後次々に新しい飛行船をつくって実用化を目指した。第1次世界大戦中はベルギーやイギリスへの空襲に使われ,1929年に『ツェッペリン伯』号で世界一周飛行に成功,ドイツと南北アメリカとの定期運航も開始した。大型飛行船のキャビン海面を走る客船と同様,豪華な食事や音楽を楽しむことができ,船よりも速く大洋を横断した。しかし 1937年5月6日夕刻,大西洋を渡ってきた『ヒンデンブルク号』 LZ129がアメリカ合衆国のニュージャージー州レイクハーストに到着したとき,繋留索を地上におろした瞬間,おそらくは気嚢塗料静電気によって火を発し,内部の水素ガスに引火して燃え上がり,36人の犠牲者を出した。この事故で,ツェッペリン飛行船は終焉を迎えた。 (→飛行船 )

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