モリスン(読み)もりすん(その他表記)Toni Morrison

日本大百科全書(ニッポニカ) 「モリスン」の意味・わかりやすい解説

モリスン
もりすん
Toni Morrison
(1931―2019)

アフリカン・アメリカン黒人)の作家。オハイオ州に生まれる。ハワード大学卒業後、コーネル大学で修士号を取得(1955)。教職、出版社勤務の後、処女作『青い眼がほしい』(1970)で高い評価を受ける。黒人女性で初めてノーベル文学賞を授与される(1993)。『スーラ』(1973)、『ソロモンの歌』(1977)、『ター・ベイビー』(1981)、『ビラブド』(1987)、『ジャズ』(1992)、『パラダイス』(1998)では、アメリカの黒人の歴史、文化を小説の中に取り入れ、これまで書かれなかった「沈黙領域」を精力的に小説のなかに描き出す。評論暗闇で戯れる』(1992)では新たな視点でアメリカの文学伝統を分析し、『正義の人種化、権力の性差別化』(1992)などの編者として社会的発言でも大きな影響力をもっていた。1988年よりプリンストン大学でアフロ・アメリカン研究および創作の授業を担当した。

[荒 このみ]

『大社淑子訳『青い眼がほしい 女たちの同時代 北米黒人女性作家選1』(1981・朝日新聞社)』『吉田廸子訳『ビラヴド』上・下(1990・集英社/集英社文庫)』『大社淑子訳『トニ・モリスン・コレクション スーラ』(1995・早川書房)』

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モリスン

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