ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「モンタニエ」の意味・わかりやすい解説
モンタニエ
Montagnier, Luc
[没]2022.2.8. ヌイイシュルセーヌ
リュック・モンタニエ。フランスの科学者。ヒト免疫不全ウイルス HIV発見の功績により,2008年にフランソアーズ・バレシヌシ,ハラルト・ツアハウゼンとともにノーベル生理学・医学賞を受賞した。
1953年ポアティエ大学を卒業,1960年にパリ大学で医学博士号を取得。1972年にパスツール研究所に入所。1980年代初め,同研究所でエイズ(後天性免疫不全症候群)の原因ウイルスの究明に取り組み始めた。エイズ患者のリンパ節細胞を培養し,レトロウイルスの証拠である逆転写酵素が存在することを確認,1983年にエイズ原因ウイルス発見の報告論文を発表した。当初,このウイルスはリンパ節症関連ウイルス LAVと名づけられたが,翌 1984年アメリカ合衆国の国立癌研究所のロバート・ギャロもエイズ原因ウイルスを発見したと発表。のちに,両者の遺伝子はそっくりであることが判明して発見者論争に終止符が打たれ,LAVは HIVとして確定された。
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