やいの

精選版 日本国語大辞典 「やいの」の意味・読み・例文・類語

や‐いの

(間投助詞「や」と終助詞「い」「の」とが重なったもの)
文末にあって聞き手に働きかける。主として女性が用いる。→やい
咄本・軽口大わらひ(1680)五「それでさうしを、くさざうしといふぞやいのと仰られた」
② 人を表わす体言を受け、呼びかけたりする時に用いる。→やい
浄瑠璃今宮心中(1711頃)中「『おさき殿やいの。おきさどのう』『ヲヲかしましい』」

やい‐の

(助動詞「やる」の命令形「やれ」の変化した「やい」に、終助詞「の」が付いたもの) 軽い敬意のある命令を表わす。
※浄瑠璃・心中二枚絵草紙(1706頃)下「早う連れて戻りやいの」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「やいの」の意味・読み・例文・類語

や‐いの

[連語]《間投助詞「や」+終助詞「いの」。近世上方の女性語》文末にあって、訴えかけたり強く言いかけたりする意を表す。
わしもいっしょに死ぬるぞ―」〈浄・曽根崎

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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