ヤボロフ(その他表記)Pejo Javorov

改訂新版 世界大百科事典 「ヤボロフ」の意味・わかりやすい解説

ヤボロフ
Pejo Javorov
生没年:1878-1914

ブルガリア詩人。本名ペヨ・トテフ・クラチョロフPejo Totev Kracholov。青年時代には,《野良で》(1896),《雹(ひよう)》(1900),《ハイドゥクの歌》(1903)など,ボテフバゾフの詩の伝統を受け継ぎつつ現実を踏まえた詩を書いたが,20世紀初頭,フランス近代詩の影響を受けて,内省的な詩集《眠りなき夜々》(1907)を出し,ブルガリア象徴主義始祖となった。《ビトシャの麓で》(1911)などの戯曲もある。夫婦間の感情のもつれで自殺した。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヤボロフ」の意味・わかりやすい解説

ヤボロフ
Yavorov, Pejo Kracholov

[生]1877. チルパン
[没]1914. ソフィア
ブルガリアの詩人,劇作家。 1902~03年のマケドニア革命に参加。ブルガリアにおける象徴主義の創始者といわれる。主著,詩集『夢のなき夜』 Bezsǎnitsi (1907) ,戯曲『ビトシャの丘にて』V polite na Vitosha (11) など。

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世界大百科事典(旧版)内のヤボロフの言及

【ブルガリア】より

…19世紀末から20世紀初頭にかけて,文学にさまざまな傾向が現れてきた。個人主義を標榜しつつも《血まみれの歌》(1911‐13)を書いたスラベイコフPenčo Petkov Slavejkov(1866‐1912),フランス近代詩の影響を受けた象徴派詩人ヤボロフやデベリャノフDimčo Velev Debeljanov(1887‐1916)らに対し,ブラゴエフを理論的指導者とするプロレタリア文学も興ってきた。しかし,カラベロフやバゾフらのリアリズムの伝統は《小さなソドム》(1920)のスタマトフGeorgi Porfiriev Stamatov(1869‐1942),ストラシミロフAnton Todorov Strašimirov(1872‐1937),とくに農村を描いた短編で有名なエリン・ペリンヨフコフらによって受け継がれた。…

※「ヤボロフ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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