日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヤマゼリ」の意味・わかりやすい解説
ヤマゼリ
やまぜり / 山芹
[学] Ostericum sieboldii (Miq.) Nakai
セリ科(APG分類:セリ科)の多年草。茎は高さ0.5~1メートル。葉は2、3回三出羽状複葉で、裂片は柔らかく、粗い鋸歯(きょし)がある(葉の形態については「複葉」の項を参照)。7~10月、散形花序をつくり、白色花を開く。山地の木陰に普通に生え、本州から九州、および朝鮮半島、中国に分布する。中国では山菜として食べる地方がある。近縁のミヤマニンジンは本種に似るが、全体が小形で、走出枝を出す。
ヤマゼリ属はシシウド属に近縁であるが、果実は表皮細胞が凸レンズ状になるため光沢があり、果期にも萼片(がくへん)が残る点などの特徴があり、シシウド属と区別される。世界に9種分布する。
[門田裕一 2021年12月14日]
[参照項目] |