改訂新版 世界大百科事典 「ユスティナ」の意味・わかりやすい解説
ユスティナ
Justina
生没年:?-388
ローマ皇帝ウァレンティニアヌス1世の妃。非常に若くして奪帝マグネンティウス(在位350-353)と結婚。のち370年ウァレンティニアヌス1世妃となり,ウァレンティニアヌス2世,ユスタJusta,グラタGrata,ガラGallaの4子をもうけた。375年夫帝の死後,4歳で即位した息子ウァレンティニアヌス2世に代わって実権を振るう。アリウス派キリスト教の信奉者で,386年には息子に親アリウス派的な勅令を出させるなどして,ミラノ司教アンブロシウスと激しく対立した。387年奪帝マクシムスがイタリアに侵入すると,子どもたちとテッサロニケへ逃れ,末娘ガラをめとったテオドシウス1世を動かして対マクシムス戦を決意させた。
執筆者:後藤 篤子
ユスティナ
Justina
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報