テオドシウス1世(読み)テオドシウスいっせい(英語表記)Theodosius I

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「テオドシウス1世」の意味・わかりやすい解説

テオドシウス1世
テオドシウスいっせい
Theodosius I

[生]347. ヒスパニア,カウカ
[没]395.1.17. メディオラヌム
ローマ皇帝 (在位 379~395) 。大帝と尊称される。有能な軍人だった父が処刑されたのち故郷にいたが,グラチアヌス帝に招かれ,379年共治帝としてローマ帝国東方を支配することとなった。 382年ゴート人と条約を結び,兵力提供を条件に彼らの帝国領内への定着と自治を認めた。 387年にはイタリアの反乱マクシムスを破って,ウァレンチニアヌス2世に西方統治をゆだねた。 380年キリスト教に帰依し,392年これを国教とし,異端アリウス派を弾圧,大神官職を廃し,オリュンピア競技も禁止した。 389年マクシムスの乱鎮圧後ローマに入るが,翌年多数の処刑者を出して聖アンブロシウスの怒りを買った。 392年西方帝ウァレンチニアヌス2世が急死すると,フランク人アルボガストが反乱を起したが,これを破り帝国を統一した (394) 。死後帝国は息子のアルカディウス,ホノリウスにより東西に分割された。

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