改訂新版 世界大百科事典 「マクシムス」の意味・わかりやすい解説
マクシムス
Magnus Maximus
生没年:?-388
ローマ帝国の奪帝。在位383-388年。スペインの低い家系の出。将軍テオドシウス(テオドシウス1世の父)に仕え,そのブリタニア遠征(369)とアフリカ遠征(373-375)に参加,のちブリタニア軍司令官となる。383年春グラティアヌス帝に不満を抱く軍隊によって帝位に擁立され,ガリアへ渡ってグラティアヌス帝を倒し,ブリタニア,ガリア,スペインを勢力下に収めた。387年彼がイタリアに侵入し,ウァレンティニアヌス2世が逃亡するに及んで,それまで事態を黙認していたテオドシウス1世は翌388年春西征し,マクシムスはシスキアとポエトウィオ付近での2度の敗戦ののち投降し,8月28日処刑された。
執筆者:後藤 篤子
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報