日本大百科全書(ニッポニカ) 「ユーザビリティ」の意味・わかりやすい解説
ユーザビリティ
ゆーざびりてぃ
usability
電子機器、ソフトウェア、ウェブサイトなどの「使いやすさ」のこと。あらゆる製品の性能は「何ができるか」を示す機能(ユーティリティ)と「どのように操作するか」を示す使いやすさ(ユーザビリティ)の二つの側面で構成され、ユーティリティはテクノロジー(技術)、ユーザビリティはデザイン(設計、意匠)に近い。1998年に定められた国際規格のISO 9241-11では、「特定の利用状況において、特定の利用者によって、ある製品が、指定された目標を達成するために用いられる際の、有効さ、効率、利用者の満足度の度合い」と定義されており、日本でも1999年(平成11)にJIS Z8521として標準化されている。
多くの工業製品はもともと技術偏重であったが、デザインを最優先する考え方が広まっている。優れたデザインを採用することにより、取扱説明書などに頼らなくても見た目で直感的に操作方法がわかる、必要としている機能に1~2回の操作で到達できる、画面転換が瞬時に行われるなど、スムーズな操作が可能になる。パーソナルコンピュータや携帯音楽プレーヤーなど、おもに一般向けの小型機器やソフトウェアについて取り入れられていたが、ユーザビリティの高さが緊急事態発生時における重大な操作ミスの回避にもつながることから、自動車をはじめ、飛行機、電車、船舶など、大型輸送機械についても重視されるようになっている。
[編集部]