パーソナルコンピュータ(読み)ぱーそなるこんぴゅーた(その他表記)personal computer

精選版 日本国語大辞典 「パーソナルコンピュータ」の意味・読み・例文・類語

パーソナル‐コンピュータ

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] personal computer ) 個人や家庭での利用を目的としたマイクロコンピュータパソコン。〔マイ・コンピュータ入門(1977)〕

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「パーソナルコンピュータ」の意味・わかりやすい解説

パーソナルコンピュータ
ぱーそなるこんぴゅーた
personal computer

コンピュータの分類の一つを表し、個人所有のコンピュータをさすが、明確な定義はなく、オフィスで使用するコンピュータをさす場合もある。日本では縮めてパソコンという。欧米では略してPCといい、日本でもPCと略す場合もある。パーソナルコンピュータという語は、1970年代初め、アメリカのIBM社とヒューレット・パッカード社が発売したコンピュータに対して使われたのが最初である。

 普及当初は、マイクロプロセッサー記憶装置メモリーなどをキーボードの筐体(きょうたい)(平たい箱型)の中に組み込み、これに家庭用テレビを表示装置(ディスプレー)として接続することで1個のコンピュータとして使えるようにしたものが多かった。その後、電子回路技術の発展によってパーソナルコンピュータの性能は飛躍的に向上した。とくに、IBM社が採用したインテル社のマイクロプロセッサーを用いたハードウェアの基本設計と、オペレーティングシステムoperating system(略称OS)としてのマイクロソフト社のDOS(ドス、disk OSの略称)の組合せがデファクト標準(市場での競争を通して決まる事実上の標準)として広く使われるに至った。

 この流れとは別に、1984年にマッキントッシュMacintoshという名で個人用の知的文房具として位置づけたPCシステムを開発したのがアメリカのアップル・コンピュータ(現アップル)社であった。当時としては先進的な、マウスで画面上のアイコンをクリックするだけで簡単にソフトウェアが使える仕組みGUI(グイともいう。graphical user interfaceの略称)を基本とするOSをのせていた。いまではマイクロソフト社のOSもウィンドウズWindowsと名を変え、全面的にGUIを取り入れたものとなっている。

 パーソナルコンピュータは、OSの発展や低価格化、インターネットの爆発的な発展などと相まって急速に普及した。その形態も、机上で使うデスクトップ型ばかりでなく、携帯可能なラップトップ型、さらに小型のノート型と多岐にわたり、情報技術information technology(略称IT)の発達を背景に急速に展開する情報化社会を支える基盤を構成するに至っている。

[筧 捷彦]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「パーソナルコンピュータ」の意味・わかりやすい解説

パーソナル・コンピュータ
personal computer

個人で使用する目的のコンピュータ。パソコンと略するほか,頭文字をとって PCともいう。ディスプレイ(CRTディスプレイ液晶ディスプレイ),キーボード,外部記憶装置などを備える。1940年代に登場したコンピュータは大型かつ高価であったが,1971年にアメリカ合衆国のインテルマイクロプロセッサの開発に成功したことで,コンピュータの小型化,ひいては個人所有の可能性が開かれた。1981年にアメリカの IBMが IBM PCを発売。その仕様のほとんどが公開されたため,世界中で多くの IBM PC互換機(コンパチブルマシン)が製造され,IBM PCが採用したインテルの中央処理装置 CPUおよびマイクロソフトオペレーティングシステム OSである MS-DOSが,その後のパソコンの標準となった。一方,日本では 1982年に日本電気 NECが「PC-9800シリーズ」を発売し,人気を博した。1984年,アメリカのアップルがマッキントッシュ Macintoshを発表。従来はコンピュータを操作する際に特別なコマンドを入力する必要があったが,マッキントッシュでは,ほとんどの操作がアイコンに置き換えられた(→GUI)。1990年代になると CPUの高性能化・高機能化と同時に本体の薄型化・軽量化が進み,ノート型コンピュータが登場。OSにウィンドウズ95(→ウィンドウズ)が搭載されるとインターネットが爆発的に普及し,パソコンの利用場面も広がった。2010年代以降いっそうの高性能化・高機能化が進んだが,スマートフォンタブレット型コンピュータが出現し,市場を奪われることとなった。(→デスクトップコンピュータ

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