20世紀西洋人名事典 「ユージンオニール」の解説
ユージン オニール
Eugene Gladstone O’Neill
1888.10.16 - 1953.11.27
米国の劇作家。
ニューヨーク生まれ。
ブロードウェイのホテルの一室で生まれ、人気俳優の父を持つ。麻薬中毒の母と、放蕩児の兄との複雑な家庭に育ち、幼い頃より寄宿学校入学、プリンストン大学を中退し、そのころニーチェやスウィンバーンなどを読んだ。転職、療養の後、1914年にハーバード大学で劇作を学び、ピロビンスタウン劇団に参加して「カーディフ指して東へ」で注目された。黎明期にあったアメリカ近代劇の確立に貢献、写実心理的な「アンナ・クリスティ」(’21年)、「楡の木陰の欲望」(’24年)、表現主義的な「皇帝ジョーンズ」(’20年)、「すべて神の子には翼がある」(’24年)などを次々に発表した。夫婦、親子間の愛憎を好んで取り上げ、死後発表された「夜への長い旅」(’56年)など自伝劇もある。’36年にノーベル賞を受賞している。
出典 日外アソシエーツ「20世紀西洋人名事典」(1995年刊)20世紀西洋人名事典について 情報