化学辞典 第2版 「ヨウ化マグネシウム」の解説
ヨウ化マグネシウム
ヨウカマグネシウム
magnesium iodide
MgI2(278.11).水酸化マグネシウムをヨウ化水素酸に溶かして濃縮すると,常温で八水和物が得られる.これをヨウ化水素気流中で加熱すると無水物が得られる.無水物は無色の六方晶系結晶.融点650 ℃.700 ℃ で分解する.密度4.26 g cm-3.空気中で徐々に分解する.吸湿性で,水に易溶,エタノール,アセトン,エーテルに可溶.水溶液からは8 ℃ 以下で十水和物が,8~43 ℃ で八水和物が,それ以上では六水和物が晶出する.いずれも水に易溶,エタノール,エーテルに可溶.マグネシウムと溶媒(エーテルなど)中に少量のヨウ素を加えるとヨウ化マグネシウムを生じ,マグネシウム表面が活性化される反応はグリニャール試薬の合成に利用される.そのほか,医薬品(抗真菌外用薬)にも用いられる.[CAS 10377-58-9:MgI2][CAS 7790-31-0:MgI2・8H2O]
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報