ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヨハネス15世」の意味・わかりやすい解説
ヨハネス15世(16世)
ヨハネスじゅうごせい[じゅうろくせい]
Johannes XV (XVI)
[没]996.3. ローマ
第137代教皇(在位 985~996)。教皇に選出された 985年は,教皇史上暗黒の時代の一つであり,教皇ベネディクツス6世(在位 973~974)とヨハネス14世(在位 983~984)が対立教皇のボニファチウス7世(在位 974,984~985)に殺害されたとされる事件が影を落としていた。親類を重用するなどの縁故主義と貪欲が目立ち,また一時期,神聖ローマ皇帝オットー2世(在位 967~983)の皇后テオファノの介入があったものの,在位中はローマの有力貴族クレスケンチウス家が実権を握った。ドイツ王オットー3世(在位 983~1002)を味方にしてクレスケンチウス家に対抗しようとしたが,オットー3世の介入前に死去した。史上初めて教皇勅令により列聖式(→列福)を執り行なった教皇であり,993年に行なったアウクスブルクの司教ウルリッヒの列聖式の記録が残されている。
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