ヨーロッパ通貨機構(読み)ヨーロッパつうかきこう

百科事典マイペディア 「ヨーロッパ通貨機構」の意味・わかりやすい解説

ヨーロッパ通貨機構【ヨーロッパつうかきこう】

通称EMI(European Monetary Instituteの略)。ヨーロッパ中央銀行(ECB)の前身で,EUヨーロッパ連合)の経済通貨統合プログラムの過程でできた組織。1994年1月に設立され,初代総裁には国際決済銀行(BIS)事務局長を務めたベルギーのA.ラムファシーが就任本部はドイツのフランクフルト。1997年7月からはオランダ中央銀行のドイセンベルクが総裁となり,1998年6月に,EMIを引き継いだECBの初代総裁に就任。加盟各国の金融政策に対する権限はまったくなく,統一通貨導入のための調整が最大の課題であった。→ヨーロッパ中央銀行制度
→関連項目ヨーロッパ市場統合

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

世界大百科事典(旧版)内のヨーロッパ通貨機構の言及

【経済通貨同盟】より

…これに伴い,従来のヨーロッパ共同体European Community(EC)は新たにヨーロッパ連合European Union(EU)と称されることになった。 EMUは94年1月から第2段階に入り,後に設立されるヨーロッパ中央銀行の前身としてヨーロッパ通貨機構European Monetary Institute(EMI)が設立され(1994年1月,本部フランクフルト,ランファルシー総裁),第3段階における単一通貨の発行および金融政策の一元化に向けての準備を行うことになった。さらに95年12月のヨーロッパ理事会(EUサミット)において,(1)第3段階への移行時期を99年1月1日とすること,(2)同時に導入される単一通貨の名称はユーロEuroとすることが決定された。…

※「ヨーロッパ通貨機構」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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