ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ドイセンベルク」の意味・わかりやすい解説
ドイセンベルク
Duisenberg, Wim
[没]2005.7.31. フランス,フォコン
オランダの銀行家,エコノミスト。ヨーロッパ中央銀行 ECB初代総裁(在任 1998~2003)。フルネーム Willem Frederik Duisenberg。フローニンゲン大学で経済学を学び,1965年博士号取得。1965年から国際通貨基金 IMFに勤務し,1969年には短期間ながらオランダ中央銀行の顧問を務めた。1970~73年アムステルダム大学でマクロ経済学を講じ,1973~77年にはオランダの財務大臣を務めた。1977年労働党下院議員として 1年だけ政界に身をおいたが,その後はオランダの協同組合銀行の団体,ラボバンク・ネーデルランドの理事会に名を連ね,1982年オランダ中央銀行に復帰。以降 15年間総裁として辣腕をふるい,通貨ギルダーの強化や失業率の減少に貢献して,オランダ経済を好景気に導いた。1997年,ECBの前身であるヨーロッパ通貨機構 EMIの総裁に選ばれ,翌 1998年に ECBが設立されると初代総裁に就任。ヨーロッパ連合 EUの単一通貨ユーロの導入を指揮し,円滑な移行を成功させた。2003年,総裁の任期 8年のうち 3年を残し,フランスのジャン=クロード・トリシェに禅譲した。
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