百科事典マイペディア 「ヨーロッパ市場統合」の意味・わかりやすい解説 ヨーロッパ市場統合【ヨーロッパしじょうとうごう】 ヨーロッパの市場統合をめざす具体的な動きは,1951年のパリ条約に始まる。調印したフランス,西ドイツ,イタリア,ベルギー,オランダ,ルクセンブルクの6ヵ国は,1952年超国家的なヨーロッパ石炭鉄鋼共同体(ECSC)を誕生させ,1958年にはヨーロッパ経済共同体(EEC)を成立させた。 その後1970年代は一時停滞したものの1980年代になるとヨーロッパの市場統合への動きが急になる。1973年正式発足した拡大EC(ヨーロッパ共同体)は1987年7月に〈単一ヨーロッパ議定書〉を発効し,1992年末をめどにヨーロッパ市場の完全統合(人,物,金,サービスなどの移動の自由化)を目指した。そのために各種の規制撤廃や域外からの進出企業の現地法人化など282項目の統合措置が提案された。 1990年7月より資本移動の自由化は行われたが,企業税制の統一などについては一致を見なかった。1992年10月のECの蔵相会議で,1993年からは付加価値の標準税率を最低15%にするほか,ぜいたく品に適用していた割増税率の廃止を決定。第1段階の統合を終え,1993年マーストリヒト条約の発効により,EC12ヵ国がEU(ヨーロッパ連合)に移行,米国をもしのぐ世界最大の単一市場が誕生した。 1994年第2段階としてヨーロッパ通貨機構(EMI)が設立され,1999年1月からの通貨統合(ユーロ)で第3段階が始まった。ギリシアが2001年1月からユーロ圏に参加,スウェーデン,英国,デンマークの3ヵ国の参加見送りはあるものの,12ヵ国による通貨統合が実現し準加盟の中欧6ヵ国や〈パートナーシップ・協力〉のロシアを加えて,巨大なヨーロッパ市場が出現した。 出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報 Sponserd by