らしんばん座(読み)らしんばんざ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「らしんばん座」の意味・わかりやすい解説

らしんばん座
らしんばんざ / 羅針盤座

初春の宵の南の空低く見える小星座。とも座の東、ほ座の北に接する。とくに明るく目をひく星もないが、西側部分に天の川が通っているため、頭上に見える南半球では微光星が案外多く見えている。18世紀のフランスの天文学者ラカイユアルゴ座を4分割したとき、昔からアルゴ船帆柱になぞらえてほばしら座とよばれていた部分を、近代的ならしんばん座の呼び名に改めたものである。その後同じくフランスの天文学者ラランドにより一時ほばしら座に戻されたこともあったが、1872年にアメリカの天文学者グールドBenjamin Apthorp Gould(1824―1896)によってらしんばん座の名が復活され、現在はこの名が正式に星座名として承認されている。

[藤井 旭]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「らしんばん座」の意味・わかりやすい解説

らしんばん座
らしんばんざ
Pyxis

羅針盤座。 1752年に N.ラカイユにより新設された南天星座アルゴ座を4星座に分割したものの一つ。概略位置は赤経8時 50分,赤緯-28°で,うみへび座の南,とも座の東にあり,3月末から4月初めの宵に南中する。4等星以下の星ばかりで目立たないが,散開星団が多い。

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