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星団 せいだんstar cluster

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

星団
せいだん
star cluster

銀河系内またはその近くで,特に数多くの恒星が密集して雲塊状になっているもの。銀河円盤内にあり,種族Iの星がゆるく集まったものを散開星団という。ハローを含む銀河全体に分布する種族IIの星からなる密集した星団を球状星団という。前者の例として,プレアデス星団(和名「すばる」),ヒアデス星団,後者の例としてケンタウルス座ω(NGC5139),ヘルクレス座の M13(NGC6205)などが知られる。

出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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知恵蔵の解説

星団

恒星の集団で、球状星団散開星団がある。球状星団は、恒星が数十万〜数百万個、球状に、密に集まってできたもの。銀河系の広がった構造(ハロー)に広く分布し、約130個発見されている。年齢は非常に古く、重元素の量が少ない。銀河誕生後、非常に早い段階でできた。散開星団は、恒星が数十〜数百個、差し渡し5〜20光年の領域に集まり、球状星団に比べると星の密度が低い。銀河円盤部に集中して分布し、銀河系内に約1000個が知られている。代表的なものにプレアデス星団(すばる)、ヒアデス星団がある。

(土佐誠 東北大学教授 / 2007年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」
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デジタル大辞泉の解説

せい‐だん【星団】

恒星天球の一小部分に密集しているもの。散開星団球状星団とがある。

出典|小学館
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百科事典マイペディアの解説

星団【せいだん】

天球上の一部に多数の恒星が密集しているもの。銀河系内の星団は,形状から散開星団球状星団に分けられるが,両者の分布状態,含まれる恒星の種族も異なる。星雲とともにNGC番号またはM番号で表示される。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
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世界大百科事典 第2版の解説

せいだん【星団 star cluster】

銀河の中で,ほぼ同時に生まれたたくさんの恒星が,相互の重力によってひきあってつくっている恒星の集団をいう。星団は距離が遠くなると,小さい望遠鏡で眺めただけでは星雲や銀河との区別が困難になるばかりかすい星と見まちがえられることさえある。星団は,メシエカタログ(M)やドライヤーのカタログ(NGC)の番号で,ヘルクレス座の球状星団M13,ケフェウス座の散開星団NGC188などと呼ばれることが多い。銀河系の中の星団は,〈球状星団〉と〈散開星団〉に分けられる。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
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大辞林 第三版の解説

せいだん【星団】

数十~数十万個の恒星からなる集団。同じ星団中の星は同時に誕生したと考えられている。散開星団と球状星団とがある。

出典|三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

星団
せいだん
star cluster

多数の恒星が、重力的な相互作用を通して、まとまった一つの力学集団を形成しているものを星団とよぶ。われわれの銀河系で発見されている星団には、球状星団とよばれる数万~数百万個の恒星が球状に密集したものと、数十~数千個程度の恒星がやや不規則に散在する散開星団とがある。このうち球状星団は、鉄などの重元素含有率が太陽の数分の1から100分の1程度と少なく、種族の天体とよばれている。その年齢は100億~140億年であり、銀河系の年齢と同じ程度に古い。おそらくまだ収縮を続けていた原始銀河雲の中で生成されたものと考えられている。一方散開星団は、種族の天体がまき散らした重元素を多く含む星間物質から生成された、第2世代(種族)の天体である。その年齢は0~50億年までさまざまであり、現在でもまだ生成が続いている。ヘルクレス座のM13や南天のオメガ・ケンタウリ星団が球状星団の代表例であり、おうし座のプレヤデス(M45)やペルセウス座NGC869(h Per)とNGC884(χ(カイ) Per)の二重星団などが散開星団の例である。星団はわれわれの銀河系だけではなく、他の銀河でも普遍的に存在している。[吉澤正則・藤井 旭]

星団の分布と運動

銀河系に属する球状星団は約130個知られている。このうち80%以上は天球上で南天に位置している。これは、球状星団が銀河系の中心の周りに球状に分布しており、かつ、銀河系の中心が南天のいて座の方向にあるからである。球状星団全体の広がりは銀河系に匹敵する規模をもち、銀河系中心からの距離の平均は約3万光年である。
 散開星団の天球上における分布は、球状星団と著しい相違を示し、天の川に集中している。このため銀河星団ともよばれている。散開星団は銀河面(平たい円盤状の銀河系の面)上のいたる所にあり、銀河系全体では数万個以上あると推定されているが、詳しい研究の対象となっているのは1000個程度である。そのほとんどは太陽の近傍1万光年以内のものであるが、このうちとくに年齢が2000万年よりも若い散開星団は、ペルセウス腕、オリオン‐はくちょう腕、および、りゅうこつ‐いて腕の3本の渦状腕(銀河系の渦巻)に顕著である。このことは、散開星団が渦状腕で誕生することを示唆している。一方散開星団の銀河面に垂直方向の分布は非常に薄く、銀河面からの平均的な高さは約200光年となっている。もし銀河系を半径10センチメートルの円盤に縮小するとすれば、ほとんどの散開星団は厚さ1ミリメートルの範囲に収まってしまう。散開星団は銀河系の円盤成分の代表例でもある。
 散開星団の空間運動は、他の種族の天体と同様に、強い銀河回転(銀河系中心をめぐる運動)を示す。太陽近傍でその回転周期は約2億年である。しかし個々の星団にはこのほかに特有運動とよばれる円運動からのずれがあり、このために渦状腕に集中していた若い散開星団も長年月の間には周囲の空間に拡散してしまう。
 星団の空間運動を知るためには、視線速度と視線方向に垂直な動き、固有運動の両方を知る必要がある。球状星団のほとんどは非常な遠方にあるため、その固有運動を観測から決めることはむずかしい。このためいくつかの仮定のもとで空間運動が推定されているが、それによれば、球状星団は主として動径方向に偏った運動をしており、銀河回転は弱い。したがって銀河回転に乗っている太陽から見ると、秒速100キロメートルを超す非常に大きな相対速度を示す。このような性質は高速度星と称される古い星でも観測されており、誕生初期における銀河系の収縮運動を反映したものと考えられる。[吉澤正則・藤井 旭]

星団の進化

誕生直後の若い星団では、太陽の数十倍の質量をもつ星から、わずか数分の1のものまで、さまざまな星が混じっている。しかし恒星の寿命は有限であり、しかも質量の増大とともに急速に短くなる。したがって星団の年齢が古くなるにしたがってその中の星の構成は変化していく。今日の球状星団は誕生以来100億余年を経て、太陽より重い星はほとんど含まれていない。一方、散開星団ではその年齢の多様さのゆえに進化の段階もさまざまであり、星団ごとに大きく異なっている。このような進化のようすは星団のHR図(または色‐等級図)に視覚化されている。一般には若い星団ほど青白い星が多く、年齢が古くなるにつれて赤みがかった星が多くなってくる。
 星団の中の個々の星の進化とは別に、星団全体も力学的な進化を受けて、構造を変えていく。それは次のような理由による。星団の中の星はあらかじめ決められた軌道に沿って星団の中を動くが、このとき、偶然に接近した他の星から重力的な擾乱(じょうらん)を受ける。この擾乱が蓄積されていくと、やがてはエネルギーが大きく変化し、星団から脱出してしまうものも出てくる。このような機構を「緩和」(リラクセーション)とよび、緩和に至るまでの時間を緩和時間という。緩和時間の10倍程度が星団の力学的寿命といわれている。緩和時間は星団の中の星の総個数に比例して、また平均質量密度の平方根に反比例して、長くなる。このため球状星団の緩和時間は数十億年と長く、100億年程度の時間尺度ではその力学的構造はそれほど大きくは変化しない。これに対して散開星団の緩和時間は数千万年と短く、力学的にみた散開星団は球状星団ほどには安定でない。加えて、散開星団は星間雲などからの力学的擾乱も受けやすい。このようにして散開星団の平均的寿命は数億年と推定されている。すなわち、約1銀河回転の間に半数の散開星団が力学的に崩壊してしまう。ただし個々の星団がどの程度の力学的寿命を有するかは、種々の条件の組合せで決まる。年齢が数十億年を超える散開星団もいくつか知られているが、これらは諸条件が有利に働いたためであろう。たとえばM67(かに座)やNGC188(ケフェウス座)がある。両星団とも銀河面よりかなり離れたところにあり、星間雲などの影響を受けにくいのが原因と思われる。[吉澤正則・藤井 旭]
『有本信雄著『星雲星団シリーズ 球状星団』(1982・地人書館) ▽古田俊正著『銀河系の星雲・星団――散開星団・球状星団・惑星状星雲・散光星雲・暗黒星雲』(1989・誠文堂新光社) ▽畑英利・樽沢賢一著『遥かなる宇宙へ オールカラー版――スペース・ポートレート』(1995・日経BP出版センター) ▽福井康雄著『大宇宙の誕生――「星のたまご」に見る宇宙の始まりと終わり』(1998・光文社) ▽岡野邦彦著『デジタル・アイ――冷却CCDでとらえた深宇宙』(1998・地人書館) ▽浅田英夫著、谷川正夫写真、渡部潤一監修、スカイウオッチャー編集部編『星雲星団を探す』(1999・立風書房) ▽藤井旭著『最新 藤井旭の星雲・星団教室』(2004・誠文堂新光社)』

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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