アルゴ座(読み)アルゴザ

デジタル大辞泉 「アルゴ座」の意味・読み・例文・類語

アルゴ‐ざ【アルゴ座】

ギリシャ神話にみえる巨船アルゴにちなんだ南天星座。あまりに大きすぎるので、竜骨座とも羅針盤座の4星座に分割された。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「アルゴ座」の意味・わかりやすい解説

アルゴ座
あるござ

晩冬の宵、南の地平線上低く見える巨大な星座。アルゴはギリシア神話に登場する船の名で、テッサリアの大都イオルコスの王子イアソンが、金毛の羊(おひつじ座)の毛皮を獲得するため、コルキス国に遠征したときの巨船である。この星座はあまりにも大きすぎるという理由から、古代ギリシア時代から、ほ座(帆座)、とも座(船尾(とも)座)、ほばしら座(帆柱座)、りゅうこつ座竜骨座)の4星座に分割して見られていた。その後、18世紀のフランスの天文学者ラカイユが、ほばしら座をらしんばん座羅針盤座)の呼び名に改め、それぞれが正式な星座として独立させられ、今日ではアルゴ座とよばれることはなくなっている。

[藤井 旭]


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改訂新版 世界大百科事典 「アルゴ座」の意味・わかりやすい解説

アルゴ座 (アルゴざ)
Argo

ギリシア神話のイアソンの金羊毛獲得の遠征隊を運んだ巨船〈アルゴ〉にちなんだ南天の星座。現在では,この名は使われない。この星座はたいへん大きく広いので,1752年N.L.ラカイユは,これをりゅうこつ(竜骨),とも(艫),ほ(帆),らしんばん(羅針盤)の4星座に分割した。
アルゴナウタイ伝説
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百科事典マイペディア 「アルゴ座」の意味・わかりやすい解説

アルゴ座【アルゴざ】

冬の南天に低く見える星座。ギリシア神話のアルゴ船遠征隊にちなむ。たいへん広く大きいので現在は,とも,ほ(帆),らしんばん,りゅうこつの4星座に分割され,アルゴ座は用いられない。
→関連項目とも(船尾)座ほ(帆)座らしんばん(羅針盤)座りゅうこつ(竜骨)座

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アルゴ座」の意味・わかりやすい解説

アルゴ座
アルゴざ
Argo

3~4月,南天を大きく占める星座。 N.ラカイユはこの星座をとも座らしんばん座ほ座りゅうこつ座の4星座に分割したので,現在では用いられない。

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世界大百科事典(旧版)内のアルゴ座の言及

【とも座(船尾座)】より

…フランスの天文学者N.ラカイユが分割命名した。ギリシア時代にはアルゴ座というギリシア神話のアルゴ船をかたどった広大な星座があったが,あまりに広い天域を占めるので,とも(船尾),りゅうこつ(竜骨),ほばしら(帆柱),ほ(帆)の4部分に分割され,さらにほばしら座はらしんばん(羅針盤)座に変更された。天の川に面し,1942年11月にこの星座に新星が出現し,アルゼンチン,アメリカなどで数人により発見された。…

※「アルゴ座」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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